10の話

生徳の話

衝動注意の中野さまが、硬い表情で椅子から立ち上がり、私の側へ歩いてきました。
どうしたのだろうと思い、私は一瞬身構えました。
すると中野さまはニコッと笑い、こう話しだすのです。
「看護婦さん、おはよう。ずっと見かけなかったね、具合悪かったの?
辞めたんじゃなくてよかったよ。いっぱい食べて、またよろしくお願いしますね」
仕事を続けていくかどうか悩んでいた私は、
患者さまを看ている立場なのに、逆に見守られ、
励ますはずが、励まされていることに気がつきました。
このときからもう4年になります。

小沢さまはこんなふうに話します。
「私は病気なので何をしてもうまくいかないし、普通の人より一歩控えめになってしまう。
どうしても病気のことが頭から離れないので就職するにも自信がないし、
不安ばかりが残ってしまう」と。
小沢さまのように考え、悩んでいる患者さまはたくさんいます。
小さなひと言にも耳をすまし、悩みを一緒に悩み、
普通に生活するための準備のお手伝いをしています。

→ 精神科デイナイトケアセンター 生徳(せいとく)

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