10の話

中村吉伸先生の話

通院中の井上さまの友人が突然亡くなりました。
あまりに悲しくて井上さまがお家で泣いてばかりいると、ご両親が
「そんなに泣いてばかりいたら、顔がなくなってしまうよ」と言ったそうです。
井上さまがそのことを通院中の中村さまに話したところ、
「そしたらきれいな顔を描いてあげる」と慰めてくれたそうです。
亡くなった友人を悲しみ、半分べそをかきながら、私に話をしてくれました。

ある日、塚原さまが「デイケアには通いたくない」と言うのです。
わけを聞きますと、「ここに来る人たちはお母さんから毎日500円ずつもらい、
映画を観たりどこかに行くときは4000円とか5000円とかを、また別に、
お父さんやおばあちゃんからもらってくる人ばかりだから」と言うのです。
「どうしてそれが?」と尋ねますと、
「だってお家の人に信用されていないからまとめてもらえないんでしょう?
そんな人たちを見てると、悲しくなってきちゃうんです」と、
悲しそうな表情を浮かべて訴えてきました。

このふたつの話はいずれも生徳での診察中の話です。
心の澄んだ優しいかたがたばかりです。
私たちの仕事は、こんな人々にほんのちょっとお手伝いをすることです。
「社会的にもっとも弱い人たち」の「生活のへたさ、しづらさ」を
改善することが私たちの仕事なのです。

ここには私とスタッフが経験した10の宝物がつまっています。
ほんの少し、皆さまの心の扉をあけてご覧になってください。

→ 中村吉伸先生プロフィール

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